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ジョー・ヒタギ の 止リ木

NVIDIA GTX1650搭載のロープロファイル&補助電源不要グラボ4機種を徹底比較

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最終更新日:2020年4月29日(GIGABYTE製グラボの追加と価格情報の更新)

GeForce GTX1650は、2019年4月に発売されたNVIDIA製GPUの最新エントリークラスである。

これを搭載したグラフィックボードで、かつロープロファイル対応のものは現時点で4機種しかない。しかも、ネットで検索してもあまり情報が見つからず、私も購入時に苦労した。

そこで、今回はその4機種のスペック・サイズなどのレビューを行う。

GeForce GTX1650について

NVIDIA製ゲーミング用GPUのエントリークラスとしては最新モデルである。
2019年4月に発売。

補助電源不要のため、電源容量が少ないパソコンでも搭載しやすい。推奨電源は300Wであり、私も同じ容量で使用している。

消費電力が低い代わりに、補助電源を使用するタイプと比べると性能で見劣りする面もある。

NVIDIAが発表しているスペックを以下に示す。

  • コア数:896
  • ベースクロック:1485 MHz
  • ブーストクロック:1665 MHz
  • メモリ速度:8 Gbps
  • メモリ容量:4GB GDDR5
  • メモリバス幅 :128 bit
  • マルチモニター:対応
  • 使用電力:75 W
  • 推奨システム電力:300 W
  • スロットサイズ(占有スロット数):2

出典:GeForce GTX 1650 グラフィックス カード - NVIDIA

上のスペックはGPUメーカー純正のGPU(リファレンスモデル)の値であり、グラボに搭載されているものはカスタマイズが施されている場合がある。特にクロック周波数はグラボメーカーによって差が出るため、注意して見ていただきたい。

GPUとグラフィックボードの違いは?

GPUとは画像処理を専門に行うCPUのようなものである。

グラフィックボード(またはビデオカード)とは、マザーボードから独立した基盤にGPUやクーラーを載せたものである。そのため、GPUとグラフィックボードの関係はCPUとマザーボードに似ている

グラフィックボードとGPUは別の会社で作っていることも多く、グラボメーカーがGPUに独自のチューニングを施すこともある。そのため、同じGPUを搭載しているグラボでもメーカーによって性能は違う。

ブーストクロックとは?

処理に負荷がかかると自動的に作動し、一時的に計算能力を高める機能のこと。

いわゆるオーバークロックとは別物であり、ユーザーが意図的に行えるものではない。

なお、表記されるクロック周波数は「平均値」であり「上限値」ではない。そのため、負荷の状態によっては表記よりもクロック数が高くなることもあるし、オーバークロックによってクロック数をさらに高めることもできる。

NVIDIAのブーストクロックについては、以下のサイトが分かりやすい。

www.4gamer.net

ロープロ対応グラボの比較

GeForce GTX1650を搭載していて、かつロ―プロ対応のグラボは、2019年9月21日時点でMSIASUSZOTACから1つずつしか出ていない(価格ドットコムでの検索結果より)。
※2020年4月29日追記 現在では GIGABYTE が加わり、4機種となった。

以下、これら4機種を公式サイトのリンクとともにご紹介する。発売日順に並べているため、下に行くほど最新機種となる

価格は執筆時(2019年12月13日 2020年4月29日に更新)にAmazonで調べたものであるため、購入される場合は改めてご確認いただきたい。

なお、クロック周波数以外のスペックは基本的に前述のベースモデルと同じである。

表記のサイズはロープロファイル用ブラケット装着時のもの。大きさの順序はW(幅)×D(奥行)×H(高さ)。

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MSI GeForce GTX 1650 4GT LP

  • 価格:19756円
  • ベースクロック:記載なし
  • ブーストクロック:1665 MHz
  • 映像出力端子:HDMI 2.0b x 1 / DL-DVI-D x 1
  • 最大同時出力画面数:2
  • 最大画面解像度:7680x4320 (8K)
  • カードサイズ (mm):168 x 69 x 37

出典:GeForce GTX 1650 4GT LP | エムエスアイコンピュータージャパン

こちらのMSI GeForce GTX 1650 4GT LPは2019年6月に発売したモデルである。

ベースクロックは公式サイトに記載がなかった。おそらくリファレンスモデルと同等なのではないだろうか。
ブーストクロックはリファレンスモデルと同じ1665MHzとなっている。

後に紹介する2機種とは異なり、映像出力端子がHDMIとDVI-DのみでDisplayPortは搭載されていない。そのため、モニターは最大2つまでしか繋げられない。

独自の機能として「MSI APP Player」に対応している。このソフトを使うことでスマートフォン専用のゲームをパソコンでプレイすることができる。PCはスマホより画面が大きく、キーボードを使えるため快適な環境でゲームができるのだろう。
ただし、本ソフトはAndroidのエミュレータであるため、おそらくiPhoneユーザーは使えない。
参考:MSI APP PLAYER | MSI Global

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ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 Low Profile

  • 価格:17891円
  • ベースクロック:記載なし
  • ブーストクロック:1665 MHz
  • 映像出力端子:DisplayPort 1.4 x 1 / HDMI 2.0b x 1 / Dual Link DVI-D x 1
  • 最大同時出力画面数:3
  • 最大画面解像度:4K対応
  • カードサイズ (mm):160 x 70 x 34

出典:ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 Low Profile | ZOTAC

こちらのZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 Low Profileは2019年7月に発売。 

MSIのものと同様、ベースクロックに関する記述は見つからなかった。ブーストクロックは、リファレンスモデルやMSI製と同じく1665MHzである。

DisplayPort・HDMI・DVI-Dの3通りで映像を出力できるため、モニターも最大で3つまで繋げられる。

画面解像度については具体的な数字が見つからなかったが、公式サイトには4K対応("4K Ready")と書かれている。

幅の160mmと高さの34mmは3機種の中で最低であり、最もコンパクトといえる。

もう一つの特徴は、大型のアルミ製ヒートシンクが搭載されていることである。基盤の全幅とほぼ同じ長さをカバーしており、放熱性を高めているとのこと。ロープロファイルはどうしても熱がこもりやすいため、排熱性能が高ければ演算能力の面でも有利だろう。

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ASUS GTX1650-O4G-LP-BRK

  • 価格:19571円
  • ベースクロック:1485 MHz(付属ソフト使用時は1515)
  • ブーストクロック:1710 MHz(付属ソフト使用時は1740)
  • 映像出力端子:DisplayPort 1.4 x 1 / HDMI 2.0b x 1 / DVI-D x 1
  • 最大同時出力画面数:3
  • 最大画面解像度:7680x4320(8K)
  • カードサイズ (mm):182 x 69 x 41

出典:GTX1650-O4G-LP-BRK | ASUS 日本

個人的に1番のおすすめ。
こちらは私が実際に使用しているモデルのため、使用した感想も交えてご紹介する。
別の記事でもレビューしているので、よければ参考にしていただきたい。

【グラボ・ロープロファイル対応】ASUS GTX1650-O4G-LP-BRKの取付けとレビュー
ロープロファイル対応グラボ ASUS GTX1650-O4G-LP-BRKのVRベンチマーク

このASUS GTX1650-O4G-LP-BRK3機種の中で最も新しいモデルであり、2019年9月に発売された(2020年4月29日追記:現在の最新機種は GIGABYTE GV-N1650OC-4GL )。

ブーストクロックはデフォルトでも1710MHzであり、前の2機種と比べて最も高い。

出力端子はZOTACと同じく3種類を装備しており、モニターを最大3台まで接続可能である。
さらにサポートに問い合わせた方(Amazonレビュー参照)によれば、このASUS製のモデルのみが4Kで60Hz表示が可能と明言したとのこと(2020年4月29日 追記:次にご紹介する GIGABYTE製グラボ8K 60Hz対応)。

大きな特徴はIP5Xの防塵ファンを備えていることである。
IP5といえばIP規格では上から二番目の防塵性能であり、以下の資料では

機器の正常な作動に支障をきたしたり、安全を損なう程の量の粉塵が内部に侵入しない

と書かれている。PC内はどうしてもほこりが溜まりやすいため、防塵ファンはなかなか魅力的ではないだろうか。
出典:IP規格・防水保護構造及び保護等級

ファンの冷却性能も高い
高負荷で80℃以上になっても、負荷がなくなればあっという間に60℃未満にまで下がる。

また、静音性も悪くない
低負荷時にはファンの音は全く気にならない。
高負荷時にはさすがに音が大きくなるが、それでもうるさいと思うほどではない。外を走る車の音のほうがよほどうるさい。

さらに、基盤の裏面は強固なバックプレートで覆われており剛性が高い。メーカーでは144時間の負荷テストを行っており、安定性が確認されていることもポイントである。

しいて欠点を挙げるなら他と比べて幅が長いことだろうか。
下の写真(黄色の枠)は自分のスリムケースに組み込んだもの。スペースに大きな余裕があるわけではないが、特に何かに干渉することもなかった

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総評として、サイズが問題にならないならASUS GTX1650-O4G-LP-BRKは3機種の中で最もおすすめできるグラフィックボードである。

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GIGABYTE GV-N1650OC-4GL

  • 価格:20542円
  • ベースクロック:記載なし
  • ブーストクロック:1710 MHz
  • 映像出力端子:HDMI 2.0b x 1 / Display Port 1.4 x 1 / DVI-D x1
  • 最大同時出力画面数:3
  • 最大画面解像度:7680x4320 (8K) @60Hz
  • カードサイズ (mm):166.9 x 69 x 39

出典:GeForce® GTX 1650 | GIGABYTE

こちらの GIGABYTE GV-N1650OC-4GL は2019年12月に発売された最新モデルである。

ブーストクロックはデフォルトで1710 MHzあり、 ASUS GTX1650-O4G-LP-BRK と同等の最速クラス

出力端子は MSIASUS と同じく3種類を1つずつ装備しており、最大モニタ出力数も同じく3台
さらに、公式サイトには最大画面解像度8K 60Hzと書かれている。他の3機種は60Hzとまでは明言していないため、そうした意味では GIGABYTE製解像度が最も高いということになる。

大きさは MSI製 とほぼ同じ。

最大の特徴は冷却性能を高めるためのユニークなファンにある。
まずファンの形状だが、スリットが入った複雑なものとなっている。この形のおかげで、空気がスムーズに誘導されてエアフローが良くなるとのこと。

さらに、2つのファンは互いに逆回転する。この特殊な機構のおかげでファンの気流同士がぶつからず、風がスムーズに流れて放熱性能が高くなる。
この二重反転プロペラのような機構はGIGABYTEの特許技術であり、「オルタネートスピニング」と呼ばれている。

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付属ソフトについて

ASUS製グラボのスペックで「付属ソフト使用時」となっているのは、ASUSが提供しているGPUモニタリングソフト「GPU Tweak II」のOCモードを使用した時の周波数である。
このソフトはグラボの温度・周波数・ファンの回転数などを確認したり、GPUのオーバークロックを行ったりするためのものである。

ASUS GPU Tweak IIの機能紹介と注意喚起

しかし、このソフトにはWindowsのプレビューが非表示になるという不具合があるため、使用はおすすめできない。

【Windows10】突然表示されなくなったタスクバーのプレビューをレジストリキーの変更で復活

他社製のソフトでもGPUが対応していれば使うことができる。機能にもそれほど差はないため、製造元にこだわらず好きなものを選んで問題ない。
以下に代表的なものを列挙する。

ざっと調べた限りではMSI製を使っている方が多そうだった。

なお、ハードウェアであるGTX1650-O4G-LP-BRK本体には何もトラブルはなく、十分な性能を発揮していることを申し添えておく。

おわりに

同じGPUを採用しているグラボでも、メーカーによって意外と個性があることがおわかりいただけただろうか。

なお、いずれの機種にも通常サイズとロープロ用の2種類のブラケットが付属するため、スリムタワーやミニタワーだけでなくミドルタワー以上でも使用できる。ケース内に余裕がない場合には有効な選択肢になるだろう。

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