ジョー・ヒタギの止リ木 | 「ものづくり」や「ものなおし」をするブログ

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ジョー・ヒタギ の 止リ木

おすすめ本のまとめ(6冊・2019年11月)

2019年11月に読んだ本の中で面白い・ためになったと思ったものを、ちょっとした感想とともにご紹介する。

本の並び順は、上のものほど万人向けになるようにしたつもりである。また、小説については極力ネタバレを避けている。

もらえるものはもらわなきゃ損!

マンガでまる分かり! 申請するだけでもらえるお金

公的な給付金や助成金を、もらえるタイミングや金額、手続き方法とともにマンガ形式で紹介した本である。

出産、育児、失業など、人生のイベントごとにもらえるお金がまとめてあるのが分かりやすい。

本書は主に国の制度を紹介したものだが、地方自治体が出している給付金についても一部紹介されている。自治体によってはユニークなものもあるようなので、一度お住いの地域について調べてみるといいだろう。

また、一部の医療費控除や社会保険料免除についても紹介あり。

私にとっては初めて聞くような制度が多く、参考になった。

基本的に国というものは、税金のように取るものは黙ってても最大額を取っていくが、助成や控除のようにもらえるお金はこちらから申請しないと知らんふり(年金すらも!)である。そのため、自分で勉強しないと一生のうちにかなりの損をするだろう。

法律は自分の武器になる

こども六法

法律の条文を子供でも分かりやすいように平易な言葉で解説した本。すべての漢字にルビが振ってある徹底ぶりである。

本来の六法は日本国憲法、刑法、民法、商法、刑事訴訟法、民事訴訟法であるが、本書では子供にあまり関係のない商法が省かれ、代わりに少年法といじめ防止対策推進法について書かれている。

本書の著者はいじめの被害者であり、本書の執筆動機はいじめを受けた子供が法律を使って身を守れるようにすることである。そのため、法律に当てはまる場面の例示もいじめや学校での出来事が多い。また、巻末にはいじめに対する相談や証拠を集める方法についてのアドバイスもある。

現在の日本では大人がやると犯罪行為でも子供だと「いじめ」ですまされかねないので、子供も法律について正しい知識を持つべきだろう。

本の見た目は子供向けだが、もちろん大人が読んでもとてもためになる。

「こんなことまで法律にかかれているのか」、「こんなことも犯罪になるのか」と新たな発見がある。刑法を例に挙げると、

  • 刑法第230条「名誉棄損」:その内容が事実か否かは関係ない
  • 刑法第206条「現場助勢」:傷害現場で囃し立てた者も罪に問われる
  • 刑法第92条「外国国章損壊等」:外国を侮辱する目的で国旗などのシンボルを破壊する罪 

このほか民法も、日常生活に深くかかわる重要な法律である。法律は知らないと危険を招くが、知っていれば自分を守る武器になるので大人が読んでもためになるだろう。

なお、本書の民法は2020年4月から施行される改正民法に基づいている。現行法とは一部違うので注意。

改正民法の概要、新旧民法の比較は下記の法務省ホームページを参照のこと。

参考:法務省:民法の一部を改正する法律(債権法改正)について

おまけ:法律が見られるおすすめアプリ(無料)

みんなの法令
みんなの法令
みんなの法令
開発元:DAI-ICHI HOKI CO.,LTD.
無料
posted withアプリーチ

六法をキーワードで簡単に調べられるアプリである。ブックマーク機能もある。

基本的にはオンラインで使用するが、条文をダウロードしてオフラインで閲覧することもできる。

第一法規株式会社が提供。

会社法App
会社法App
会社法App
開発元:Stakeholdercom Ltd.
無料
posted withアプリーチ

「みんなの法令」と似たアプリだが、こちらは会社法に特化している。iPhone版とiPad版が分かれているので注意。

会社法のほか、会社施行規則と会社計算規則も収録。

話し方ひとつで印象は大違い

話し方で損する人 得する人

同じような内容を言うにしても、言い方によって好印象にも悪印象にもなるよということを例示した本である。

見開きの右側に「得な話し方」と「損な話し方」が一組書かれており、左側のページ+2ページほどがその解説という構成になっている。この書き方のおかげで内容を把握しやすく、短時間で読める。

また、それぞれの言い方にどれくらいの人が好印象または悪印象を抱くかのアンケート結果も紹介されている。私自身はこの手のアンケートをあまり信用しない*1のだが、参考程度にはなるだろう。

  • 相手の話をきっかけに自分の話を始めようとする人は嫌われる
  • 誘われるのを待つばかりで自分から誘わない人も嫌われる

というように言われれば「なるほど確かにそうだ」と思うが、なかなか自分では思いいたらないことに気づかせてくれる。

「友達付き合いと仕事の時ではふさわしい話し方が違うだろ」と思われた方、ご安心いただきたい。本書にはプライベートとビジネスで章が分けられており、どちらの場面も網羅されている。そのため、ビジネスマンにもおすすめできる。

兵器は技術の宝庫

不思議で面白い陸戦兵器

元陸上自衛隊武器学校長が書いた、戦車・大砲・ミサイルなどの陸戦兵器の仕組みや技術を分かりやすく紹介した本。防衛装備品の調達や安全保障についての見解も随所に書かれている。

陸上兵器が主体のため車両に関する記述が多く、「カーブをスムーズに曲がれるように動力を配分する仕組み」や「タイヤの空気圧を調整して不整地走破性を高める技術」といった車に関する知識を思いがけず身につけられた。

そのほか、

  • 砲身のゆがみを検知する技術
  • 遠心力を利用した砲弾のバッテリー兼安全装置
  • 光ファイバーを使った有線ミサイル
  • 大砲の煙が戦車の車内に逆流しない仕組み

といった独特な技術が多く、とても興味深く読めた。

「そんなこと知って何の役に立つのか」と言われそうだが、機械や車が好きな方なら面白いと思うし、安全保障に関するニュースを読み解く助けにもなるのではないだろうか。

美少女×戦闘機のSFファンタジー

ガーリー・エアフォース

アニメ化もされたライトノベル。

未知の敵「ザイ」に対抗するために作りだされた「アニマ」と呼ばれる人工生命体の少女と、彼女らが乗り込む特殊な戦闘機「ドーター」による戦いを描いた作品。

既刊12巻のうち、6巻まで読了。

女の子と戦闘機の表紙絵にひかれて読み始めたが、ザイとの戦い、ザイやアニマの謎、人間同士の戦い、人間とアニマの関係(確執や恋愛)となかなか読み応えのある話である。作戦が失敗したり、仲間が撃墜されたりと割合深刻な話もあり、戦闘ものにふさわしい緊張感を持って読める。

敵は未知の存在ではあるが、謎のまま終わることはなさそうで安心した。伏線がちりばめられており、続きがとても気になる良い作品である。

もちろん、様々な実在の戦闘機が登場するのも魅力である。私は本作で初めて「グリペン」というスウェーデン製戦闘機の存在を知ることができた。下の画像の表紙絵がグリペン。

参考:

ガーリーエアフォース | 電撃文庫・電撃の新文芸公式サイト

TVアニメ『ガーリー・エアフォース』公式サイト

グロテスクな純愛

沙耶の唄

事故の後遺症であらゆる人間や景色が醜悪な姿に見えるようになった青年と、その青年の目に唯一まともな姿に映る謎の少女「沙耶」とのラブストーリー。なんとも名状しがたい雰囲気の作品である。

有名なゲームのノベライズであるが、ゲームの発売は2003年、本書の刊行は2018年と15年も空いているため最近まで出版を知らなかった。

原作ゲームの脚本は、これまた有名なアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」を手掛けた虚淵玄。

なお、原作はアダルトゲームであり本書にも少し過激な性描写があるので注意。

下はWindows10対応版である。

本書を開くと、しょっぱなから文字化けのような奇怪な会話文が始まり衝撃を受けた。

独特の世界観と、主人公の青年が徐々に狂気に侵されていくさまにとても引き込まれる。明るい話ではないが、続きが気になりつい夢中で読んでしまった。

ネタバレになるので詳細は控えるが、結末はメリーバッドエンド*2といえるだろう。あとがきによれば、本書のストーリーは原作にある3通りのエンディングを組み合わせて作り、原作とは別物にしたとのこと。

2019年に続編が発売予定らしいので楽しみにしているのだが、現在(2019年12月7日)まで情報がない。

*1:いわゆるサンプリングバイアスが発生するため。アンケートは「わざわざ時間を割いて答えてくれる人」や「アンケートの告知を目にする機会がある人」といった特定の性質を持つ人のみからしか回答を得られないため、結果が偏りやすいという理屈である。

*2:立場や見方によってハッピーエンドともバッドエンドともとれる結末