ジョー・ヒタギの止リ木 | 「ものづくり」や「ものなおし」をするブログ

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ジョー・ヒタギ の 止リ木

遮音シートと防音テープで防音ドアを自作(+エアコンの効率化)

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「部屋の防音化をしよう」と考えたとき、大きな問題となるのはドアです。
スムーズに開け閉めできなければならない都合上、既製品ではどうしてもドア枠との間に隙間を作らなければならず、その隙間から音が入ってきます。また、外気が隙間を通って部屋に侵入してくるため、エアコンの冷暖房効率にも悪影響です。

さらに、軽くて薄いドアの場合、ドア自体も音を通してしまいます。

しかしながら、部屋を防音化する際にはドアは最も手を付けやすい部分でもあります。壁一面を防音加工するのは骨が折れますが、ドア1枚なら半日もあれば加工できるからです。

今回は、私が防音テープと遮音シートを使ってドアを防音化した時の材料や施工方法をご紹介します。それほど難しい作業ではありませんので、ぜひ参考にしてみてください。

材料

まずは私が使用した材料をご紹介します。事情によっては別の材料を使ったほうが良いこともあるため、そうした場合のおすすめ製品も一緒に紹介していきます。

遮音シート

遮音シートとは、重い素材でできたシートです。重いものは振動しにくいため、音が伝わりにくくなります。

私が購入したのは サンダムCZ-12 という製品です。そのうち壁やほかのドアにも貼り付けようと思っているので、下のようなロールで購入しました。

こうしたロールはかなり重く、かさばるので置き場所に困ります。「こんなに大量にはいらない」という方は、後でご紹介する カット済みシート をおすすめします。

なお、 大建工業(Daiken) 遮音用下地シート というほぼ半額の製品もあります。こちらを買えば良かった…


ドアに貼り付ける分だけほしい場合は、小さくカットされた オトナシート (40㎝×30㎝)をおすすめします。裏面にシールがついているため、好きな大きさに切るだけですぐ使えます。

セット販売 だと少し安くなります

カッティングシート

ドアに遮音シートを貼り付けただけでは、見た目があまり良くありません。そのため、私は上から 木目風シール (カッティングシート)を貼りました。
防音には直接関係ないので必須ではありませんし、木目である必要もないです。

防音テープ

「防音テープ」の存在は以下のサイトで知りました。

www.tamusguitar.com

下の写真のように、ゴムの管が二つつながったような形をしています。裏面には粘着テープつき。

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真ん中から手で二つに割いて使うこともできます。空洞があるので断熱効果も高そうです。

半分に割いた状態。

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厚さは5mm。中空部分をつぶすと約2.2㎜になります。

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近所のホームセンターでは「ドラフトテープ」の名称で売られており、10㎝単位で買えました。価格は1mあたり360円(10%税込)。「防音コーナー」ではなく「ゴム製品コーナー」にあったため探すのにかなり手間取りました。

ネット通販でも似たような製品がいくつか売られています。ただし、私が購入したものと同じかは分かりません。

接着剤

接着面がドア全体とかなり広いため、コーキングガンにセットする大容量のものを使用しました。

ちなみに、 コーキングガン とは引き金を引くとチューブの中身を絞り出していく工具です(下図参照)。

注意:万全を期すなら吸音材も必要

きちんと防音するには、遮音材だけでなく吸音材も必要です。2つの素材は通しやすい音の特性が異なるため、両方そろって初めて十分な性能を発揮します。

私が施工した当時は小型の吸音材がなかったため、ドアへの取り付けは断念しました。
しかし、現在では下の ホワイトキューオン のように小さくカットされた吸音材が販売されているため、必要な分だけ購入して貼り付けられます。私のドアにもそのうち取り付けたいです。

ちなみに、 遮音シートのAmazonレビュー にて何人もの方が指摘されていますが、防音には音源→吸音材→遮音材の順に素材を並べると効果的です。
そのため、「部屋の中の音を外に漏らさず、かつ外の音を中に伝えないドア」を作りたいなら、部屋の外ー遮音材ードアー吸音材ー遮音材ー部屋の中の順に貼り付けると良いと思います。この並び順であれば、「吸音材の厚みのせいでドアが閉まらない」という事態も防げます(ドアが内開きの場合。外開きの場合は部屋の外ー遮音材ー吸音材ードアー遮音材ー部屋の中としてください)。

作業内容

ドアに遮音シートとカッティングシートを貼る

ドアから蝶番とドアノブを外し、両面に遮音シートを貼り付けます。蝶番は下側から外すことをおすすめします。
下の写真はドアを横から見た図。中央の木がドア、黒い層が遮音シートです。

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遮音シートはカッターナイフを何往復かさせれば切れます。一度に切ろうとせず、刃を寝かせて少しずつ切ってください。

遮音シートは接着剤で貼り付けますが、シート自体がかなり重いので少し不安です。そのため、釘・タッカー・タッピングネジを補助的に打ち込みました。

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タッピングネジはシートが重なって分厚くなった部分に使っています(下の写真を参照)。

ドアの上下には遮音シートを回り込ませ、ドアとドア枠の隙間をある程度ふさげるようにしました。ドアが閉まらなくなりそうだったので、ドアの側面には何も貼っていません。

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遮音シートが貼れたら、その上からカッティングシートを貼ります。スマホの画面にフィルムを貼るときの要領で、端から気泡が入らないように少しずつ貼っていってください。

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どうしても気泡が入ってしまった場合、針で小さな穴をあけて空気を抜くという手もあります。スマホの画面では絶対に使えない技ですね。

防音テープで隙間をふさぐ

遮音シートが貼れたら、次は防音テープの出番です。ドアとドア枠の隙間をふさいでいきます。

蝶番部分

写真のようにテープを半分に割き、一方を戸当たりに、もう一方をドア本体に貼り付けました。当初は戸当たりだけに貼る予定でしたが、隙間をふさぎきれなかったのでドア側にも追加しています。

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ドアノブの側面

半分に割いたテープの平面側(チューブ形ではないほう)を、戸当たりに付いているゴムの下に潜り込ませるようにして貼り付けました。

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当初はドアの側面に貼り付けるつもりだったのですが、ドアのどの部分に貼り付けてもドアが閉まらなくなったので断念しました。

しかし、1つ問題が発生しました。防音ゴムが増えたことでドアから戸当たりに加わる力が増え、戸当たりがずれるようになったのです。そのため、戸当たりをタッピングネジ(木ねじ)で固定しています(上の写真を参照)。
下の写真は左から順に使用したタッピングネジ、ドリル(3㎜)、砥石。ドリルで下穴をあけた後、円錐形の砥石でねじの頭が入る場所を作りました。

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ドアの上部

半分に割いたテープを戸当たりとドアの両方に貼り付けました。蝶番部分と同じく、片方だけでは隙間が埋まりませんでした。

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ドアの下部

もともとついていた沓摺(くつずり)に、半分に割いたテープを貼り付けました。下の写真の手前側が部屋、奥が廊下です。

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遮音シートをドアの下に回り込ませたおかげで、ドア側にはテープを貼るほどの隙間はありませんでした。

下の写真はドアを閉めたところ。写真の手前側が廊下です。ドアは防音テープに少し乗り上げるようにして閉まります。

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ワンポイント

  • あらかじめテープやシートを貼る箇所をエタノールで水拭きし、汚れを取っておくとテープがくっつきやすい。
  • 部屋を暗くするか夜に作業を行えば、部屋から漏れる光を確認することでふさげていない隙間を探しやすい。

結果

遮音シートの効果

完全に音を遮ることはできないものの、ドアを通りぬける音はかなり小さくなりました。
以前はドアをたたくと太鼓のようにドアの内部で音が反響している感じでしたが、遮音シートを貼ってからは音が響きません。そのため、ドア自体は確実に振動しにくくなっています

ただ、ドアに耳をつけると向こう側の音がそれなりに聞き取れます。これは、特に部屋の外から中の音を聞くときに顕著です。部屋の中で音が反響するためでしょうか。

吸音材もプラスすればまた違った結果になると思います。

防音テープの効果

実はドアに遮音シートを貼った後、1週間ほど防音テープを貼らずに放置していました。すると、防音テープがあるのとないのとでは音の洩れ方が明らかに違うことが分かりました。ドアとドア枠の隙間を通る音は想像以上に大きいようです。

大林組技術研究所の1968年の研究報告には次のような記述があります。

15dB透過損失の大きいパネルで扉を製作しても, 隙間の影響によって5dB程度しか透過損失は大きくならないことになり, 1~2mm程度の隙間によってもパネル自身の遮音特性がほとんど生かされない
出典:木製扉の遮音性状に関する研究 | 大林組技術研究所報 No.2 1968年

この研究は、ドアの材質と隙間の大きさの組み合わせによって遮音性能がどのように変化するかを調べたものです。
上の報告書から分かるのは、どれほど遮音性能が高いドアであっても数ミリの隙間で台無しになるということです。つまり、隙間をふさぐことはドアの防音化に必須であり、費用対効果が高いということです。

また、防音テープを貼る前はドアの隙間に手をやると冷気の流れを感じましたが、テープを貼った後は全く感じなくなりました。これなら冷暖房効率が良くなり、省エネ効果も期待できます。

ただし、防音テープを貼ると部屋の密閉性が高まるため、こまめな換気を心がけてください。頭痛や集中力の低下といった症状が現れたら酸欠の可能性があるため要注意。
「集中力が続かない」・「頭痛がする」 ←換気で直ります

防音テープの副次的な効果として、ドアを閉めたときの音がかなり軽減されました。

番外:安物の隙間テープにご用心

今回使用したものとは別の防音テープ(2種類)を3年ほど使用していたので、そのご紹介もしておきます。

下の写真の厚手のタイプはホームセンターで購入しました。

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ドアの下側に貼っていたため開閉時に床を引きずり、かなりゴミが溜まっているのが分かります。テープ自体はすんなりはがすことができたが、粘着剤の一部がカッティングシートに残ってしまいました。

同じようにドアの下をふさぐなら、 ドア下部シールテープ のようなもの(下図参照)を使ったほうがほこりは溜まりにくいと思います。

もう1つの薄いほうのテープは100円ショップで購入したものです。

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劣化して粉が出るようになったのではがそうとしましたが、テープやクッションが途中でちぎれてうまく剥がれませんでした。加熱してもだめです。

結局、あきらめてカッティングシートごと切り取るはめに。

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安物買いの銭失いとはこのことで、お金だけでなく時間とカッティングシートも失いました。
長く使うつもりのものは、高くても良いものを買うことをおすすめします。

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