ジョー・ヒタギの止リ木 | 「ものづくり」や「ものなおし」をするブログ

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ジョー・ヒタギ の 止リ木

「招待者」を表す英単語には何が適切なのか?

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先日、外国の方から日本語の文章の英訳を頼まれたのだが、そこに出てきた「招待者」の翻訳で困った。

つまったこと

日本語で「招待者」というとき、「招待される人(ゲスト側)」と「招待する人(ホスト側)」の2つの意味がありうる。

今回頼まれた文章では文脈から「招待する人(ホスト)」を指すことが分かったが、Google翻訳でもインターネット検索でも「招待者」と調べると「招待される人(ゲスト)」を表す英単語しか出てこなくて困った。

調査結果

「招待者」を意味する英単語

結論から述べると、「招待される人(ゲスト)」は「invitee」、「招待する人(ホスト)」は「inviter」のようである(ジーニアス英和辞典およびオーレックス英和辞典より)。

ちょうど「employee(被雇用者)」と「employer(雇用主)」の関係と同じであろう。

Google翻訳では日本語の「招待者」は「invitee」と訳される。しかし、英語の「invitee」と「inviter」はどちらも「招待者」と訳されるのでややこしい。

外務省による翻訳

ところが、外務省が公開している「招へい理由書」*1では別の英訳があてられている。

参考:

日本語の書類では「招へい人」と書かれているところが英語版では「Inviting Person」となっている。

ここでの「Inviting」は、文書の内容からして「invite(招待する)」の現在分詞(形容詞的用法の動名詞)として使われているのだろう。すなわち、「Inviting Person」で「招待する人」を表していると思われる。

しかし、ジーニアス英和辞典およびオーレックス英和辞典で「Inviting」を調べてみると「魅力的な」を意味する形容詞だと書かれている。実際のところはネイティブに聞いてみないと分からないが、「Inviting Person」という訳語はどうも誤解を招きかねない直訳に思えてならない。「inviter」としてはダメな理由が何かあるのだろうか。

結論

  • 「招待者」を英訳する際、「招待される人(ゲスト)」という意味なら「invitee」、「招待する人(ホスト)」なら「inviter」という英単語をあてる。
  • 外務省では「招待する人(ホスト)」を「Inviting Person」と訳している。しかし、「inviting」には「魅力的な」という意味があるため適切な訳であるのかは疑問が残る。
  • Google翻訳では文脈によらず「招待者」は「invitee」と訳されるので注意が必要。

番外:「いわゆる」の英訳について

「いわゆる~だ」の英訳でもつまった。最初は「so-called」にしようと思ったのだが、ふと辞書で調べてみるとso-calledには

軽蔑的なニュアンスを含むことが多い

と書かれていた(ジーニアス英和辞典より)。オーレックス英和辞典にも

(こう呼べるかどうか疑わしいが)いわゆる

 とあった。学校の教科書にはこのようなことは書かれていなかったような・・・

では、「いわゆる」の英訳には何がふさわしいのだろうか。

ジーニアス英和辞典には「what is called」であれば特段の含みなしに「いわゆる」を意味するとも書かれていた。

また、「known as」も「いわゆる」の意味で使われているのを見かける。

以下はアメリカ人の方が痛車について書かれたブログだが、1行目に

Anime Cars, known as itasha 痛車

とある。

Itasha (Anime Cars) 痛車 | JapanFolklore

ここからは私の個人的な所感である。

「what is called」と「known as」はどちらも「いわゆる」と訳されるが、例文を見る限り少しニュアンスが異なるように思う。前者は何かに例えていうとき(例:彼はいわゆる本の虫である)、後者は通称や別称を示すとき(例:アニメキャラが描かれた車はいわゆる痛車である)に使われている気がする。

*1:日本人が外国人を日本に呼び寄せるときに提出するビザの申請書類