ジョー・ヒタギの止リ木 | 「ものづくり」や「ものなおし」をするブログ

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ジョー・ヒタギ の 止リ木

【本】WORLD WAR Zの紹介と感想

この本はいわゆるゾンビもので、ノンフィクションの体で書かれたフィクションである。

世界観

ある時、世界中にゾンビが蔓延し人類は大パニックに陥った。約10年にわたる「ゾンビ戦争」の末、人類はかつての領土の大部分を取り戻した。そこからさらに10年後、世界中の人々からかつての大パニックやゾンビ戦争の証言を集めて作られたのが本書である。

感想

設定がち密に考えられており、物語にかなりのリアリティがある。作者はよくぞこれほどの知識を持っているものだと感心した。

ゾンビものではあるがゾンビの話に終始するのではなく、個人、民族、国家といった様々なスケールで話が展開されるため、作中世界の様子を明瞭に想像できる。

人類がゾンビに勝利するまでの経過や作戦にもとても説得力があった。

各話の最後に、現実もしくはフィクションの用語の脚注が細かく入っているのもノンフィクションらしくて気分が盛り上がる。おかげで最新技術に関する知識も増えた。(次世代型大気圧潜水服「エクソスーツ(Exosuit)」、宇宙作業用ヒューマノイド「ロボノート」など。余談だが、アメリカ人が作るロボットはなぜいつも見た目が怖くなるのだろうか。)

Exosuit | Nuytco Research Ltd.

What Is Robonaut? | NASA

 登場人物も各々がきちんとした背景を持っており、巧みな描写と相まって容易に感情移入ができる。そのせいで、フィクションと分かっていても読んでいるうちに息苦しくなってくるが。

不満があるとすれば物語に日本がほとんど登場しないことだ。

日本人の登場人物は2人のみで、日本の国土は回復できたのかはっきりとは述べられていない。また、日本の集団避難先がカムチャッカなのだが、これがどのような経緯で決定したのか、日本政府とロシア政府の間でどのようなやり取りがあったのかなどは一切述べられていない。

このあたりが少し消化不良に感じた。

月並みな感想だがとても面白かったし、3日かけて夢中で読めた。

ゾンビものや架空戦記が好きな人なら間違いなく楽しめる本だと思う。

ゾンビものや「バイオハザード」がお好きならこちらの本もおすすめ。世界観や雰囲気をうまくとらえており、読みごたえがある。ただし、絶版本である。